スウェーデンハウスの欠陥住宅を防げ!
第三者が入らねばもつれた話は解けない。
私はお知り合いの一級建築士、Pさんにお話を聞いていただいた。
その一級建築士Pさんにご相談するのは引き渡し前に一度、そして今回が二度目だが、それはつまりタローラモ夫妻がスウェーデンハウスへの信頼を失った回数ということである。
「話し合いの場を作ってくれたら、僕も参加しますよ。」
恐れ多いよりも有難いが上回り、Pさんの出席可能な26日に話し合いをする運びとなった。
時間は現場チェックのため明るいうちに、とのことでスウェーデンハウスには正午に指定。
Pさんは30分早くいらして図面と家回りをご覧になり、タローラモ夫妻へ軽やかにご説明をし始めた。
「ざっと見ただけでも気になる点がいくつかあります。まず問題のテラス。脚になる柱がね、雨水管の上に立ってしまうんですよ。ホラ、見えるでしょう?あのパイプ。数年後もし割れたらどうするんでしょうね。」
「それにこの門の壁ね、セットバックしないといけないんちゃうかな。」
※セットバック…狭い道幅を4m確保するために、新築は道路中心から2m部分に建物を建築することはできない。
つまり、⬇︎写真のレッドラインを建物が越えてはならない。
「あとグリルシャッターを囲むコの字のゲートあるでしょう?そのゲートの脚部分に水道管があるんです。これどうするんやろ?耐震も、どういう計算してるかよくわからないですね。地震きたら倒れる可能性も否定できません。」
赤マルの脚が、あの長らく放置された穴ぼこに来るらしい。
「テラス柱(奥の四角いコンクリ)の位置を変えたのも、この水道管移動する工事がめんどくさいのか、柱が邪魔になって裏へ行き来しにくいからかもしれませんね。まあでも、契約前からタローラモさんがテラスをご希望してるのわかってて地盤調査してるのに、水道管のせいにするのはねぇ」
怖くなった。
外構をプロがパッと見ただけでこんなにいい加減ならば、家はどうなんだろう。
今は何不自由ないが、数年後、十数年後はどうなんだろう。
タローラモ邸の揉め事はお金だけじゃなかったのか。
2階の大きな窓から凸凹の敷地を見下ろして話していると、やがて4人のスーツの男が集まってきた。
正午のお知らせである。